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早川院長がベトナムで講演・手術をしました


2023年 ベトナムでの8日間

当院の早川哲史病院長がベトナムにて、講演・手術を行いました。
2023年6月初旬と2024年7月初旬、2回にわたりベトナムにある数々の病院で医療交流をしました。

はじめに

 ベトナム5大特級国立病院の一つである、ベトドック病院の副院長チェン先生から、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(ラパヘル)に対する講演とライブ手術のご依頼をいただきました。

アジアの地で少しでも自分の技術が求められ、社会貢献できるのであればと思い、不安はありましたが勇気を出して引き受けることにしました。

 2023年は日本とベトナムの外交関連樹立50周年の記念すべき年ということもあり、日本の現状と最新の手術手技について講演や、現地でTAPP法のライブ手術を行いました。

ベトナム癌拠点病院のK病院を訪問

 まずはベトナム随一のがん拠点病院、K病院に訪問しました。日本とベトナムのがん治療における医療情勢についてディスカッションを行い、国風による医療の違いに、驚きや発見のある話し合いとになりました。
ディスカッションの後はK病院の手術室を見学しました。ベトナムの術者の手の動きは非常に早く、K病院のチームワークの良さが表れていたと思います。

 ミーティング終了後にはホーチミンの金の銅像の前でK病院の副院長ビン先生と固い握手を交わし、K病院訪問の要人にのみプレゼントされる貴重な壺を光栄にもいただきました。

べトドック大学病院での経験と朝のカンファランス

 翌日はベトナム首都、随一の外科救急医療病院のべトドック大学病院に訪問しました。
ベトちゃん・ドクちゃんの治療をした病院として日本でも有名ですが、ベトナム5大特級国立病院の一つです。

 朝からカンファランスに出席しました。立見の医師を含め救急外科スタッフ、研修医など150名ほどの医師が出席するカンファランスでした。講演と手術を執刀する目的で日本から訪問している外科医師として最初に紹介があり、その後は症例紹介がされました。

100施設をつないだ同時ライブ講演

 カンファランス終了後、2時間の講演を行いました。この講演は、べトドック病院の現地では90名ほどの外科医が聴講し、ベトナム外科学会の関連施設の約100病院に同時ライブ配信され、ベトナム中の外科医が自由に聴講できる状況で行われました。

 ベトナムでは見慣れないTAPP法の解剖構造や手術手技の場面では、会場の先生方も真剣な眼差しで聴講されていました。

実際のべトドック病院での手術

 午後には患者さんを手術前に回診し実際に手術を行いました。べトドック病院では初めてのTAPP手術であり、手術前には何度も日本とベトナムとで連絡を取り、入念な打ち合わせを行いました。ですが手術時は日本では驚くようなトラブルもありましたが、臨機応変に対応し、手術はほぼ完璧の形で無事に完遂できました。

 手術終了後には会場とライブ配信での総合討論がありました。総合討論終了後は若い現地の先生方と早川院長との記念写真会のような状況となり、感謝の言葉と共にべトドック病院の多数の先生方と記念撮影をしました。

このような多数の外科医が喜んで記念撮影に来てくれることは日本の講演ではあまり経験することはなく、
ベトナムに手術指導に来て、本当に良かったと心から思いました。一生の思い出になりました。
 K病院の副院長ビン先生はベトナムと日本の医療交流を強く希望されていました。そうであれば、と名古屋市立大学の教授へ向けたビデオレターの撮影を依頼。ビン先生の熱いメッセージを教授にお渡ししました。その五ヶ月後2023年11月にはトゥアン院長、ビン副院長が名古屋市立大学病院を訪問され、懇親会に参加しました。
 こうして縁がつながり、今後のベトナムと日本の医療交流の発展に期待が高まる、はじめてのベトナム医療訪問となりました。

2024年 二度目のベトナム訪問

そこから一年経ち、2024年7月の9日間、再度ベトナムに医療訪問しました。

チョーライ病院 TAPPセミナー及び院内ライブ手術

 今回の訪問では、昨年訪問したベトナム5大特級国立病院であるチョーライ病院で手術手技の講演と院内ライブ手術を行いました。チョーライ病院は医師数1,000人以上の超マンモス病院であり、講演とライブ手術には院内の100名ほどの外科医が聴講しました。

 手術は、若い外科医の先生を指導しながら手術となりました。

一緒に担当した先生の技術は驚くほど高いと感じました。ベトナムの外科医には、腹腔鏡技術はあるが、高い手術レベルの指導者がいない状況。今後はアジアにおける医療水準を高めるために、更に日本とベトナムの医療交流は推進すべきであると確信を得ました。

学会特別企画 T-TAPPライブ手術

 2023年のべトドック病院訪問後に、2024年7月19日に第一回ベトナムヘルニア外科学会が創設されました。
ベトナムで最初のTAPP法のライブ手術を行った影響は大きく、学会長のテュアン先生から特別企画として、学会場とカントー市立病院を繋いだTAPP法ライブ手術の依頼が届きました。2023年の医療訪問の際お話をされた縁もあり、是非と、引き受けました。第一回ベトナムヘルニア外科学会は、予想以上に参加者が多く盛大な会となりました。

 ベトナムの若い先生方から、多数の驚きと賛辞の言葉をいただき、現在でもベトナムの医師から手術手技のメール問い合わせがあります。

勤勉なベトナムの若い外科医たちに、何か伝えることができたと思い、今回のベトナム訪問には外科医としての達成感がありました。

ホーチミンでの医師会懇親会に参加して思うこと

 さいごに、ホーチミンの医師会懇親会に参加しました。懇親会では診療科が異なっていても、非常に仲良く和気あいあいとして、古くからの友人のように誰とでも挨拶していました。このような光景は日本でも学会などで目にすることはありますが、異なる各診療科の医師が集いながらフランクに歓談することは少ないように思います。

社会主義国家のベトナムでは、日本以上に異なる診療科の交流が自由のように感じられ、今後のベトナムの医療は益々進化して行くのであろうと感じました。

さいごに

66歳となり、人生で初めて海外でのweb配信されるライブ講演、ライブ手術、ライブ手術指導を経験しました。かつてない経験の中で形のみえない愛情に気付き、溢れるばかりの知識と沢山の感動と感謝の心をいただきました。現状のベトナムは、我々日本の医療から学ぶことは沢山あると感じました。これからの若い外科医は、是非海外に出向き、国家体制の違い、環境の違い、宗教の違いなどを学び、未来に向けて新しい医療体制を構築して行って欲しいと思います。ベトナムの若い外科医たちは、今後驚くばかりのスピードで進化していくでしょう。日本の外科医たちも負けないように修練していってほしいと願っています。

今回の経験をして、私はもっと早く海外に飛び出れば良かったと、少し後悔しています。しかしながら、私も生きてきた人生の中で今が一番若いので、今を大切にし、若さを保ってこれからも頑張って行きたいと思っています。

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